幕末 寺田宗有 | 無手勝流(プロ野球・競馬・歴史・マンガ)

幕末 寺田宗有

寺田宗有(中西道場三羽烏の一人)が公用で大井川を旅していた折のこと。ふとかがんだ時に竹光が落ち、それを見た往来はやんややんやの喝采になった。時を入れず雲助が言うには「旦那、竹光ですかい?(この貧乏侍が)」

宗有は落ち着きはらって、「勘違いしてもらっては困る。わしは気に入らない奴がいると見境なく斬ってしまうので、公用の折は竹光をさしているのだ」と答えた。

雲助が納得しないようなので、宗有は「しかしわしの手にかかれば、竹光も真剣と代わりはないぞ」と言い、近くにあった大岩の側に立ったかと思うと、一閃、竹光で大岩を叩き割った。これには雲助もたじたじになったという。


「爆笑剣豪伝」(シブサワ・コウ編 KOEI刊) 参照